Last updated at 2022/04/26
Initially created at 2022/04/26

ソフトウェアの自動テストに関する FAQ

私のソフトウェアにはビジネスロジックと呼べるほどのものがありません。どこからテストを書けばいいでしょうか?

printf デバッグや、デバッガでステップ実行して動作を確認しているところがあれば、そこから書きはじめるのがおすすめです。目視で確認していたこと、例えばある時点での値が予測値と一致していたか、ゼロじゃないか、などがあれば、それをテストとして記述していけばいいでしょう。

すでに何度かリリースをして、バグを出してしまっているソフトウェアなら、バグを再現するテストを書くのもおすすめです。簡単すぎるコード (getter や setter など) にテストを書いても、労力の割に利はありません。バグが出てしまったところは、少なくとも一度は既存のチェック機構をすり抜けてしまっているので、十分な複雑さか、既存のチェック機構の抜け漏れか、その両方があるはずです。再発防止にテストを書くのは良い案といえるでしょう。

単体テスト (ユニットテスト) と結合テスト (インテグレーションテスト) のちがいは何ですか?

Rails のようなフレームワークが提供する区分や、チームや会社のなかでの合意はありますが、業界全体を通して「なにが単体テストで、なにが結合テストか」という問題についての合意はありません。これは日本に限ったことではなく、例えば Google Testing Blog の Test Sizes (2010) にも

What do you call a test that tests your application through its UI? An end-to-end test? A functional test? A system test? A selenium test? I’ve heard all them, and more. I reckon you have too. Tests running against less of the stack? The same equally frustrating inconsistency. Just what, exactly, is an integration test? A unit test? How do we name these things?

という一文があります。

ただ、一般に、一度にテストするコードが少ないものを単体テスト、多いものを結合テストと呼ぶのが一般的です。

なお、オブジェクト指向プログラミング言語を使っている場合「一つのクラスをテストするものが単体テストである」という人もいるかもしれません。ただ、その場合も、String や HashMap はほとんどの場合、インターフェース経由でモックせずに、一緒にテストするでしょう。これを「一つのクラス」と数えるのは、やや恣意的だと思います。

モックはどのくらい書くべきでしょうか?

テストに本番とは別の実装をつかう技法は、ひろく「モック」と呼ばれています。"xUnit Test Patterns" の著者 Gerard Meszaros は、これを"Test Doubles" と呼び、以下のように5つに分離しています

ここでいうスタブ、スパイ、そして狭義のモックは、実装と密に結合してしまいがちなので、できるだけ少なくするべきです。

フェイクオブジェクトを定義するか、あるいは実際の実装をパラメータを変えて使う、例えば / を削除する代わりに /tmp/fakeroot を削除できるようにして、ファイルの削除は実際に行ってしまうのがおすすめです。

Java: PowerMock を使っているテストがうまく動きません

まず、PowerMock を使わないかたちにコードを書きかえられるか検討しましょう。

PowerMock の README.md でも、

Please note that PowerMock is mainly intended for people with expert knowledge in unit testing. Putting it in the hands of junior developers may cause more harm than good.

「PowerMock は熟練者のもの」とうたわれています。